農業

旨さを支える、宝山の芋づくり

芋焼酎造りは、畑から始める。
その信念が宝山の旨さを支えています。
原料芋は、すべて契約農家で栽培された鹿児島県産の芋だけ。
農家の方は、ただ芋を届けてくれるだけではありません。
旨い焼酎を造るために、「こんな芋を使ったらどうか?」と
私たちに提案してくれることがあります。
蒸撰シリーズなどは、そんな声から生まれた焼酎です。
しっかりと絆を交わす大切な農家の方から受けとる芋だから、
私たちは、毎朝、社員総出で芋を選別し、
新鮮なうちに仕込みます。

個性あふれる鹿児島の芋たち

  • 黄金千貫
    黄金千貫コガネセンカン

    黄金色に見えることと、1反(10アール)あたり千貫(3750kg)収穫できることから命名されました。でんぷんが多く、食べてもおいしい芋。芋焼酎の原料として広く使われている品種であり、風味豊かな焼酎になるのが特徴です。

  • 綾紫
    綾紫アヤムラサキ

    ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含んでいる紫芋。でんぷんは少なく、生産性が低く手間がかかるのですが、香りには華やかな甘みがあり、ワインのような風味を醸します。

  • 白豊
    白豊シロユタカ

    でんぷん原料用の芋のため、でんぷんが多く、甘くまとまった味わいが特徴です。その名の通り肉質は白く、焼き芋・蒸し芋にした際の食感は、黄金千貫に似ています。

  • 紅東
    紅東ベニアズマ

    肉質が粉質であるため、蒸すとホクホク感が出て食用として甘く美味しい芋。栽培期間が短い早生品種、掘り取り直後の味が優れています。

  • 10年後、20年後の旨さを育てる自社試験農場。

    “屋根のない蔵”西酒造の自社試験農場では、
    新しい味わいを生み出す芋の可能性を探り続けています。
    いま試験農場で育てている芋は、34種。
    他にも、芋の種類は数えきれないほどあります。
    まだまだ大きな可能性が眠っているのです。
    もちろん、全てがうまくいくとは限りません。
    この挑戦が実を結ぶのは、何十年、何百年後になるかも
    しれません。
    しかし、酒造りも農業も、人の歴史にしっかりと根ざした文化です。
    何代にも受け継がれてこそ意味のあるもの。
    私たちの挑戦は世代をこえて続きます。

一年間に使用する米を、 すべて県産米だけで

私たちが使うのは、鹿児島の農家が丹精込めて育ててくれた
県産米だけです。米の収穫期に玄米を一年分備蓄しています。
玄米を最大1,100t保管できる米蔵の中は、
米の鮮度を保つため、常時13℃~15℃に温度管理されています。
一度の仕込みに使う量だけを常温で一日寝かせた後精米し
麹米として良い状態にして使用します。
焼酎蔵としては、とても稀な取り組みかもしれません。
しかし、芋も、米も、水も、100%地元のものにこだわれば、
ごく自然に求められる答えだと私たちは考えています。
西酒造は、これからも旨さの原点である
大地と共にある農業との絆を大切に、
薩摩の大地と共に歩む私たちにしか造れない
味わいの世界を深めていきます。

焼酎蔵に米蔵を建てることの意味

西酒造の焼酎蔵の隣には、
麹米を備蓄するための米蔵があります。
他では、なかなか見かけない風景です。
「なぜ、ここまで?」と思われる方も多いでしょう。
そこには、皆様へ日本一旨い芋焼酎をお届けするためならば、
どんなことにも挑戦したいという私たちの思いがあります。
芋焼酎の旨さの原点は大地にあります。
西酒造にしか造れない旨い焼酎は、西酒造と共にある故郷の
農業からしか生まれない。
私たちの信念である“地”にこだわる焼酎造りを表しているのが、
この米蔵なのです。

焼酎の命のなる4つの麹

  • 黄麹
    黄麹キコウジ

    雑菌の繁殖を抑える酸をあまりつくらないため、造りに高い技術と繊細な管理を必要とします。

  • 黒麹
    黒麹クロコウジ

    クエン酸の生成力があって、モロミの腐敗防止に大きな威力を発揮します。

  • 白麹
    白麹シロコウジ

    黒麹菌の白色変異株である焼酎麹で、多くの焼酎で使われています。黒麹菌同様に多くの酸をつくります。

  • 芋麹
    芋麹イモコウジ

    麹米に比べ麹菌が繁殖しにくく、温度管理もデリケートに。仕込みには手間がかかりますが、芋の旨味と華やかな香りが際立ちます。

  • 西酒造には、農産物検査員が2人います。

    「農産物検査員」とは、米の色や粒の欠け、水分量といった
    農産物の品質や安全性を検査する国家資格です。
    西酒造には現在、2名の農産物検査員がいます。
    酒質につながる麹米の品質を統一したいという
    目的もありますが、
    その理由は、焼酎造りを
    農業から始めるという決意につながっています。
    私たちは、焼酎が完成するまで、全ての段階でプロでありたい。
    農産物検査員とは、西酒造にとって大地へと続く、
    欠かすことのできない一本の根なのです。

良い水のないところに、蔵は建たない

薩摩の空から舞い降りた雨は、ゆっくりと大地にしみ入り、
地下300mにある水脈を目指します。
その歩みは、一年間にわずか1m。
岩盤からほとばしる、
そんな地下水は焼酎づくりに最適な
ミネラル分となっています。
私たちは、吹上の自然が恵んでくれた
鹿児島の水に深く感謝しながら、日々焼酎を造っています。

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