【農業の匠】 米農家 松元 浩文さん (前編)
私たちの焼酎造りを支えてくださっている“農業の匠”。
今日は鹿児島県北西部、豊かな水を育む出水平野が広がる出水市高尾野町で、30年以上に亘りお米作りを続けている匠、米農家:松元 浩文(まつもと ひろふみ)さんをご紹介します。(人´∇`)
出水平野に春が訪れ、15ヘクタールにおよぶ松元さんの田んぼに水が張られました♪ 今年の宝山の仕込みに使用されるお米の苗付けが、今まさに始まろうとしています。「お米作りは、生涯を賭けて“学ぶ”仕事!」と語る松元さんのメッセージ、私たちといっしょに焼酎の仕込みに最適なお米の品質を追求する匠のお仕事を、皆さまもぜひご覧ください。(*^_^*)
□米農家:松元 浩文さん (前編)
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西酒造さんといっしょに、焼酎仕込みに適したお米作りを始めてから、10年近くになります。西陽一郎社長の「100%鹿児島県産の原料で最高品質の芋焼酎を造る!」という、並々ならぬ決意を支えるため、蔵の皆さんと一丸となってお米を作り、収穫したお米は「農産物検査員」の資格を持つ私が、すべて厳重な検査を行ってから蔵にお届けしています。
西酒造さんとの取組みは、米農家である私とだけではなく、先日こちらのページにも登場された芋農家の尾曲さん、酒販店さん、そして蔵の皆さんと、宝山の仕込みに関わるすべての人が一体となって、本格薩摩焼酎の品質を追求する取組みです。
西酒造さんには常に新しい構想や企画があるため、定期的に全員が顔を会わせて作戦会議をし、新しい取組みに挑戦する。農業が本格的にはじまる今の時期には、毎年蔵人の皆さんが留学生のような形で、うちの田んぼに入り、いっしょに米作りをします。お米を作り、届けるだけでなく、気持ちもいっしょに芋農家さん、酒販店さん、藏人さんとスクラムを組みながら、焼酎業界を盛り上げていく。そんな気持ちです。
私の田んぼでは、食用米と酒造米(麹米)の両方を育てています。焼酎の仕込みには「酒造米」が使用されることが多いのですが、いま西酒造さんと取り組んでいるのは、「食用米で美味しい焼酎を造る!」という研究です。
銘柄名で言うと、「イクヒカリ」と「なつほのか」の2種類。「なつほのか」は、その品質が認められて、美味しい食用米としてはもちろん、美味しい焼酎造りのための「麹米」としても成果が出ています。
西酒造さんといっしょに仕事をする前は、宝山は「高級ブランド」というイメージがありましたが、いっしょに仕事をしてみて、焼酎の美味さをとことん追求する姿勢に刺激を受けましたし、これだけ品質にこだわっているのだから、「100%納得の焼酎だ!」と、イメージが「納得」に変わりました。
ちなみに、わたしがよく飲むのは「富乃宝山」と「薩州宝山」。自分達が作ったお米で仕込んだ宝山を、お客さまが美味しそうに飲んでいる姿を見ると、この上なく嬉しい気持ちになります。
これからも、西酒造さんとタッグを組み、自分達のお米がどんな焼酎になって、お客さんに飲まれているのか、農業から始まる焼酎造りの可能性を追求していきたいと思います。
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松元さん、ありがとうございました。
次回「後編」は、松元さんの「お米作り」のより深いお話をご紹介します。